学会ニュースレターの作成マニュアル|企画から配布までの効果的なコツ
ニュースレターとは、組織の最新情報を紹介するコンテンツのことです。企業などの団体が定期的に発行しています。
学会でもニュースレターを活用し、会員の結束を強化し学術交流を促進しましょう。
ニュースレターの目的とその重要性
ニュースレターとは、組織の最新情報の発信や顧客・会員に親しみを感じてもらうことを目的として、企業などの団体が定期的に発行するコンテンツのことです。学会においては、活動の報告や、最新の知見・論文の共有など会員に役立つ情報の共有等も発行の目的に含まれます。
ニュースレターの意義は主に次の2つです。
(1)イベントの告知・報告
大会やシンポジウム、セミナーなどの活動報告、もしくは次回の開催告知や案内をニュースレターを通じて行います。会員がニュースレターを見ることで、次回イベントの参加人数が増えるかもしれませんし、今回のイベントに参加できなかった会員もイベントの様子を知ることが可能です。
(2)役立つコンテンツの配信
最新の論文や知見のシェアを行ったり、学術集会の受賞者やその分野の権威に寄稿をしてもらうことで、会員にとって有益な情報を届けます。これによって、会員がニュースレターを開封してくれる確率が高まるため、どのような内容にするかしっかりと吟味する必要があります。
内容の選定はニュースレター作成において、最も重要なポイントの1つですが、それ以外にはどういったコツがあるのでしょうか?以下で3つのコツを見ていきましょう。
①コンテンツ作成時のポイント
企画と準備:目的をまず設定しましょう
まず最初に、ニュースレターを配信する目的を考えましょう。学会から会員へのコミュニケーションの機会を増やしたい、知見を共有することで会員の研究活動に刺激を与えたい、イベントの予告を行って参加人数を増やしたい、など学会によって配信の目的は様々です。ご自分の所属されている学会にあった目的を設定しましょう。
テーマとコンテンツの効果的な選定
目的を決めた後は、テーマとそれに沿ったコンテンツを大まかに決めましょう。
テーマを決めるときは、以下の3つに留意するとよいでしょう。
(1)目的にあっているか
目的にあっていないテーマだと期待した効果が得られない可能性が高まります。例えば、会員とのコミュニケーションを強化したい場合は、実際の交流に繋がる大会等のイベントの告知・会員への季節の挨拶等が有効です。一方で、賛助会員の紹介・役職者の紹介などのテーマに重きを置きすぎると、目的とずれたニュースレターになってしまいます。目的と合致したテーマを選ぶようにしましょう。
(2)新規性があるか
テーマ選定では、一定程度の新規性も重要です。分野内での最近の重要な発見や流行に沿ったトピックを選ぶことで、読者がニュースレターを読む価値があると判断する可能性が高まり、開封率をあげることに繋がります。
(3)そのテーマで期限内にニュースレターを配信できるか
十分な専門知識を持つ寄稿者がいなかったり、テーマに沿ったコンテンツの作成に膨大な時間やコストがかかる場合は、そのテーマは避けた方がよいでしょう。
リファレンスの書き方を明記
寄稿論文を掲載したい場合は事前に投稿規定を準備し、寄稿者の混乱を最小限にしましょう。具体的には、提出ファイル形式や寄稿者の情報、またリファレンス(参考文献)の引用の仕方(例:APAスタイル・MLAスタイルなど)を指定しましょう。分かりやすいように、引用の仕方は指示と例をセットで示しておくと親切です。
しっかりと校正
テーマ・コンテンツを決め、中身を作成し終えた後には校正が必要です。学会のニュースレターは対象となる読者も豊富な知識を持っているため、誤字脱字のチェックに留まらない専門的な校正を行いましょう。スタイルガイドを遵守しているか、フォーマットが統一されているか等をチェックすることで読者により一層信頼感を持ってもらえます。
②デザインとレイアウトのコツ
中身と同様に、見やすいデザイン・レイアウトであるかも非常に重要です。読者にとってどんなに有益な情報を書いていたとしても、見づらいデザイン・レイアウトのニュースレターは最後まで見てもらえません。デザイン・レイアウトで絶対に抑えたいコツは以下の3つです。
(1)文章の流れを邪魔しない位置に図・写真を入れる
文章の流れにそぐわない位置に図や写真を入れると、読者の集中を削いでしまいます。図の位置や大きさはなるべく揃えます。図の上下左右には十分な余白を取り、すっきりとした見た目にしましょう。読者に集中してニュースレターを読んでもらうため、視覚的にまとまった美しいレイアウトを作りましょう。
(2)字間・行間は適切な広さで
字間・行間は狭すぎても広すぎても読みにくくなります。字間の広さは「標準」に、行間の広さは文字の大きさの50〜75%程度にするのが望ましいでしょう。
(3)必要なときは改行を
あまり改行がない文章だと、圧迫感があり読者が読みづらいと感じることもあります。話題を転換する際は必ず改行を入れましょう。一方で、改行がありすぎてもせわしなくまとまりのない印象を与えてしまうので、不要な改行は避けましょう。
③上記以外の留意事項(配信形式・頻度)
ニュースレターの中身・それを装飾するデザイン以外にも担当者が決定しなければいけない事項があります。それが配信形式と頻度です。
配信形式
配信形式は以下の3つです。それぞれにメリット・デメリット両方ありますので、よく考慮して形式を選びましょう。
(1)学会のホームページにPDFとして公開する
誰でも閲覧することができ、学会の知名度向上に繋がります。データの保存もようにになりますが、会員限定のサービスにある特別感が損なわれてしまいます。
(2)会員のメールアドレスにメールとして配信する
ニュースレターの閲覧を会員に限定することで、人々に新規入会を促すことができます。しかし迷惑メールに振り分けられたり、メールアドレスの変更により受信されなくなったりする可能性があります。
(3)紙媒体を各会員の住所に送付する
紙媒体で閲覧したい方や、デジタル媒体が苦手な方でも親しみやすい形式です。その代わり、郵送・印刷費用がかかります。
配信頻度
あまりにも頻繁に送ると、煩わしいと感じる会員もいるかもしれません。反対に、頻度が少なすぎると狙った効果が得られません。配信形式に合わせて頻度を決定するとよいでしょう。例えば、メールでの配信だと月に1回から3ヶ月に1回程度、紙媒体での送付だと年に1回、とするなど。目的にもよりますが、ニュースレターは基本、長いスパンで継続的に送るものですので、作成担当者にとって負担が大きくなってしまうような高頻度も避けるべきでしょう。
学会のサポートはSOUBUN.COM
ニュースレターは、会員の結束を強化し、学術交流を促進する重要なツールです。
SOUBUN.COMでは学会誌や紀要といった学会に関する印刷サービスや、ニュースレターの会員へのメール送信や印刷・発送も承っております。
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