論文の誤字・誤植などのミスは訂正できる?訂正方法を解説

「印刷済みの論文に、誤字・誤植・脱字を見つけてしまった」このようなミスは訂正できるものでしょうか?この記事では、論文における訂正可能なものと、その訂正方法についてくわしく紹介します。
また、正誤表(errata)・懸念表明(expression of concern)・撤回(retraction)など、状況に応じた対応方法を記載します。

論文の誤字・誤植などは訂正可能なミス?

すでに公開(出版または投稿)済みの論文に誤字や誤植などの間違いを発見した場合、訂正することはできるのでしょうか?

基本的に、学術雑誌では一度発行された論文や記事の些細なミスは修正しないのが慣例です。たとえば、J-STAGEでは軽微な誤りの訂正は行わないとしています。しかし、出版社や学会によっては論文の誤字・脱字の訂正を可能としているところもあるため、まずは訂正の可否を確認するのがよいでしょう。ただし、著者名の誤りや論文の意味・内容に関連する誤りについては、きちんと報告・訂正しなければなりません

本文以外の訂正対象なミスは?

では、図表や謝辞、引用文献など、論文において本文以外の部分にミスを発見した場合は、訂正対象となるのでしょうか?

J-STAGE(科学技術振興機構サイト参照)によると、訂正が必要な誤りには以下のものが挙げられています。

・標題(タイトル)、著者名など書誌事項
・本文中のテキスト
・本文中の図表、またそのキャプション
・引用文献

また、目次や謝辞に対しての訂正も見受けられます。
(例)参考リンク:https://www.cpij.or.jp/com/ac/articles/correct.html
基本的には誤字・脱字などの些細なミスでなければ、本文でなくても訂正が必要だと覚えておきましょう。

発見されたミスの訂正方法

では、実際に論文のミスは、どのように訂正を行うのでしょうか?

雑誌などに掲載・出版された場合は、まずその雑誌を発行する学会や機関へ連絡し、ミスがあった旨を伝え、次の雑誌に訂正文を載せてもらいます。学会にはどんなミスなのか、どのように修正するのか、本文への影響などを説明しましょう。

J-STAGEなどの電子ジャーナルの場合は、エラータ記事を発行することで修正を行います。エラータとは、正誤表(errata)のことです。このほかにも、「Erratum、 Corrigendum、Correction」 などと呼ばれることがあります。元の記事データと相互リンクされることで、元のジャーナルデータからエラータ記事に飛べるようになっています。

ただし、ミスの度合いによって訂正対応が異なります。著者名の誤表記などエラータに当てはまるものであれば、訂正文や正誤表での訂正が可能です。しかし研究者による研究上の不正行為が発覚したなど、より重大な理由の、致命的な誤りの場合は撤回(retraction)となる事もあります。さらに図などのデータを逆さまに印刷してしまったなど、エラータで対応困難とされた場合は、再出版などの措置が取られることもあります。これらの対応は出版社や学会によって異なるため一概にはいえません。

また、研究報告に対して、懸念表明(expression of concern)を行う場合は、論文の中で「目次に掲載」や「目立つセクション(頁番号のあるところ)」に情報開示を行うように、というようなルールが投稿規定に記されている場合もあります。

どのようなミスであれ、学会や出版社によって対応が異なるので、まずは関係機関に連絡を取ることをおすすめします。
ミスの有無に関わらず、事前に投稿規定を確認しておくとよいでしょう。

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