学会誌の製本にかかる期間は?製本タイプ・綴じ方の種類も紹介
製本にはさまざまな種類があるため、学会誌を印刷する場合には予算やニーズに合わせた選択が必要です。今回は学術誌や論文を作成する際の、製本タイプや綴じ方などの加工種類を紹介します。
学会誌の製本にかかる期間
学会誌を印刷した後の製本から発送を行う場合の納期は3~5日程度が目安ですが、印刷会社によって、また印刷物の仕様や製造工程、さらには発注の時期などによって納期は変動します。十分な余裕を持って発注したほうがよいでしょう。中には、通常より短い期間で印刷できるサービス等もありますが、納期を短縮すると価格が上がることもあるのでご注意ください。
一般に、データの入稿・印刷から製本までを一貫した工程で行う印刷会社の方が、全体の納期は短くなります。印刷方法によっては、断裁・製本前にインキを乾かす工程が入ることがあるため、その分の時間も必要です。また、繁忙期には印刷機や製本機のスケジュール調整が必要な場合もあります。
学会誌の製本タイプ
製本タイプには、大きく分けて「上製本」と「並製本」の2種類があります。
上製本
本体とは別に厚いボール紙で出来た表紙をつけ、本体は糸かがりで製本するものを「上製本」と呼びます。高級感があり丈夫なため長期保存に向いているのが特長です。ハードカバーの単行本をイメージするとわかりやすいでしょう。
年間の研究を研究報告書の形でまとめる場合や、学会誌の複数号を合本としてまとめたり、論文集を作成する場合などにご注文いただく事が多い仕様です。
並製本
本体と一緒に表紙を綴じて製本するものを「並製本」と呼びます。文庫本や雑誌などをイメージするとよいでしょう。低コストで制作できるのが特長です。
学会誌の本誌など、通常号の加工仕様としてオーダーいただく事の多い仕様です。その他、論文別刷などもこのタイプを選択いただく事があります。
学会誌の綴じ方
学会誌の綴じ方には、いくつか方法があります。それぞれ特長がありますので用途に適した綴じ方を選びましょう。
無線綴じ
「無線」という名のとおり、糸や針金などを使わずに本体の背に接着剤を付けて表紙でくるむ方法です。背に接着剤を付けるため、180度全開で本を開くことができません。
中綴じ
見開きにした紙の中心をホチキス留めする方法です。本体を2つ折りにして製本するので、ページ数があまり多くない場合に適しています。
平綴じ
背になる部分から5mm程度の位置をホッチキス留めする方法です。他の綴じ方より安価で納期も短くて済みます。
糸かがり綴じ
本文を印刷した用紙をひとかたまりずつ糸で綴じ合わせ、最後に接着剤でつける方法です。
あじろ綴じ
無線綴じと同じく接着剤で綴じる方法で、本文を印刷した用紙の背中部分に切り込みを入れて接着剤を入れます。切り込み部分に接着剤が浸透するため、冊子を180度開くことができます。
ミシン綴じ
見開きにした紙の中心をミシン糸で綴じる方法です。中ミシン綴じとも呼ばれます。
廉価で見栄えも良いスタンダードな製本仕様例
学会誌や学術誌、論文などを安く冊子体として作成する場合に、よくお客様にお選びいただく汎用的でおすすめな製本仕様(例)をご紹介します。
データの入稿形態
製本仕様ではありませんが、まずデータを展開する際に、コストを抑える方法が入稿のデータ形式です。
こちらはPDFでの入稿をおすすめします。ExcelやWordなど形式は印刷会社側で文字や図表のバランスが崩れたり、改行などが意図しない形になってしまうトラブルが起きる事があります。
当然どのような入稿形態でも弊社や各印刷会社は対応が可能ですが、データ崩れを確認・修正したり、デザインをお客様と印刷会社の双方でチェック(校正)したりと、時間と労力がコストになってしまいます。
PDFで入稿すれば、このようなリスクを最小限にできますので、廉価に冊子を印刷・発行したい場合はPDFでの入稿(完全原稿)をご検討ください。
印刷方式(オフセット・オンデマンド)
印刷方式もいくつか種類があります。
オフセット印刷は比較的ページ数や部数が多い場合に利用する印刷方式です。
オンデマンド印刷は少ないページ数、少ない部数に適した印刷方式です。
少ない部数をオフセット印刷の方式で印刷すると非常に割高な金額になってしまいます。
依頼する印刷会社がどのような設備を有しているか、よく確認いただき、最適な印刷方式で印刷する事で費用を抑える事が可能です。
(弊社SOUBUN.COMでは、自社工場にどちらの印刷機もございますので、安心してご相談ください)
表紙に使うとおすすめの紙
論文の表紙によく使われる用紙が「レザック」です。見た目や触った感触が革のような風合いで、耐久性にも優れています。
表紙を大体的にデザインしなくとも、モノクロのタイトルテキストだけで、高級感や質感のある仕上がりになります。
用紙のカラーバリエーションも多く20色以上からお選びいただけます。
本文に使うとおすすめの紙
冊子印刷の定番の用紙が上質紙と呼ばれるものです。
白色度も高く、教材や説明書など、学会誌や論文のみでなく、ビジネス、商業印刷物など幅広い用途に選ばれています。
メモなどの書き込みもしやすく、値段も廉価な用紙です。
おすすめの製本仕様
学会誌・論文の製本は「無線綴じ」がおすすめです。
報告書や取扱説明書、問題集やテキストなどに使われ、しっかりと丈夫で本格的な仕上がりの製本仕様です。
冊子の背に幅ができ、背表紙にタイトルや発行年を入れる事で、整理しやすく、探しやすい冊子にする事ができます。
【学会誌製本に関する本記事のまとめ】
印刷会社によって対応できる製本方法は異なり、製本方法によって納期やコストが変わってきます。発注する前に、製本も含めた仕様、納期、金額等を確認しておくと安心です。
SOUBUN.COM(創文印刷)では、学会誌の製作に特化した自社設備を有しております。
社費・公費・校費・科研費など、様々なお支払い形式にも対応しています。
学会誌の印刷・製本はぜひ専門会社にお任せください。